「田んぼの学校」を始めるには?
※「田んぼの学校」開校ガイドより抜粋
「田んぼの学校」っておもしろそうだな、自分でもやってみたいな、という気持ちを活動につなげていくための考え方を示します。一人一人の思いも、地域の事情も違う、ということを大切にしながら、まず一歩、踏み出してみましょう。
1.「思い」をみつめなおす
「田んぼ」をテーマに、みなさん自身が楽しんでみたいこと、知りたいこと、考えてみたいこと、伝えたいこと・・・実現の可否や具体的な手段にとらわれず、思いっきり想像をふくらませてみてください。これが「田んぼの学校」の大事な大事な種なのです。
2.活動の枠組みを考える
活動の枠組みは、いわば「思い」という種を植える土づくりです。“だれが、だれと、どこで、なにをするのか”おおまかにイメージすることから始めます。
だれが
新たに組織・グループを立ち上げる? 既存の組織・グループで行う? 既存組織の連携体というかたちもあります。
だれと
「思い」を伝えたい相手、共有したい人はだれ?“プログラムを用意する活動主体とそれに参加する人”というかたちだけでなく、サークル活動のようなスタイルもありますよね。
どこで
どんな田んぼ、どんな水路がより効果的に安全に楽しく活動できる? イメージを絵にしてみるのもいいかも。水田と一体となっている農村環境全体を考えたいですね。
なにをするのか
地域のさまざまな行事、農事暦、自然の状況などを整理する中でヒントが見えてくることも。まずはどんどんアイデアを出してみましょう!
3.必要なもの(場所、人、モノ、資金 等)を整理・手配する
「思い」という種をよく耕した土に植えたら、いよいよ花開かせるために種を育てるステップです。活動の具体化に向け、枠組みに応じて必要なものをリストアップしていきます。できるだけいろんな人と意見を交わしてアイデアや情報をもらうことが活路を見いだす秘訣です。
場所
安全性、活動しやすさも考えましょう(トイレや洗い場、説明場所、休憩場所、駐車場、日陰になる場所 等々)。場所の持ち主や管理者の意向もよく聞き取ります。
人
「お膳立て」をする調整役、参加者と向き合って活動をリードする現場案内役などはどんな活動でも必要です。兼務もできますが、一人の負担があまり大きくならないように配慮したいですね。活動主体のメンバーに限らず、協力者を求めていくことで活動の幅も広がります。
モノ
意外とお金がかかったり、確保に苦労したりするものも。参加者自身に用意してもらったり、借り受けたりすることで十分対応できることも少なくありません。必要な道具をつくることをプログラムにしてしまうという手もあります。
資金
一時的にかかる費用と恒常的にかかる費用に分け、それぞれどう手当てするのか検討します。各種助成金にアプローチしている団体もたくさんあります。節約も資金集めも工夫次第。まずはお金のかからない方法、そして必要なお金の算段についてみんなえいろいろとアイデアを出してみましょう。
そのほかにぜひやっておきたいこと・・・
●同様の活動の有無と連携、協力の可能性
●関係者や地域住民への挨拶まわり
●基礎的な知識・技術の習得
4.さあ、いよいよ「田んぼの学校」の始まりです
ここまで考えてきた全体像に基づいて1回1回のプログラムを企画し、具体的な活動を組み立て、動かしていきましょう。プログラムの企画・運営については、(財)キープ協会編集・発行「自然体験活動企画・運営ハンドブック」に掲載されている「自然体験活動を企画・運営する上でポイントとなる100項目」をご紹介させていただいています。
5.活動の継続、活発な活動展開にむけて
どんな活動でも長く続けていくと、負担の偏りやマンネリ化、人の入れ替わりなど、問題・課題は必ず出てくるものです。客観的かつ柔軟に活動のあり方を見直せる体制をつくっておくことが大切でしょう。続けることがプレッシャーになってしまう場合には、少し休んでみるのも選択肢のひとつ。やはりこういった活動は、メンバー自身の「楽しい!またやりたい!」という思いが原点であり、もっとも大きな推進力であるということを忘れずに。